Magoso Art Club

今日はすごく嬉しい日でした。マゴソアートクラブ会長のザブロン(19歳)が、私に、最近のアートクラブの活動を見て欲しいと言ってきました。いそいそと案内してくれたザブロン。部屋に入ってビックリ。すばらしくイキイキとした作品の数々!日本に持って行って欲しいと、みんなでたくさんの絵を描いているのでした。
ザブロンは今回の来日メンバーのひとりです。私たちはいま、日本で歌う歌の練習をしているのですが、実はザブロンは歌は得意ではありません。マゴソスクールは音楽で目立っているけど、実は音楽が...不得意の子たちもいます。だけどアートクラブは、静かにフツフツと、熱く盛り上がっているクラブです。ザブロンがマゴソ小学生時代からアートクラブ会長になり、熱心に小さな子どもたちをまとめていって、アートクラブの活動を活発にしてきました。いま98人の子どもたちが参加しています。
ザブロンは小さなときに両親とも病気で亡くしました。当時の村々にはまだエイズに対しての強い偏見があり、ザブロンの両親はエイズで死んだのだと村の人々から忌み嫌われ、村八分にされました。連れて行かれた叔父のもとでも暴力を振るわれたザブロンは、あまりの辛さに生きる希望を失い、死のうと思って縄を手にして森の中に入ったそうです。縄をかける木を探して森の中をさまよっている間に、疲れ果てて木の下で寝てしまいます。
目が覚めたとき、不思議なことに、その縄が無くなっていたそうです。それから小さなザブロンは、そのまま、森の中で生活しはじめたのです。
ザブロンは森の中で長い間ひとりで生きていました。本人いわく、木の枝や草を食べて動物のような生活だったということです。本人の記憶では1年半くらいの期間と言っていますが、聞いた話を総合していくと、もっと長い期間だったのではないかと思います。
ザブロンがどのように森の中から出てきたかというと、あるとき遠くから歌声が聞こえてきたのだそうです。その歌声に導かれるようにして森の中からフラフラと出て行ったら、村の広場に遠くからやってきた聖歌団が歌を歌っていたのだそうです。森から出てきたザブロンを見て、村人たちはみんな叫び声をあげて走り逃げました。獣のような姿をしていたからです。
だけど逃げないで、ザブロンを助けてくれた人がいました。その人は、その遠くからやってきた聖歌団の団長で牧師さんだったそうです。その人がザブロンのぼうぼうになった髪を切り、体を洗い、食べ物をくれたそうです。
あるときその村を訪れたマゴソのダン校長先生はザブロンを助け出し、マゴソスクールに連れてきました。それ以来、ザブロンはマゴソファミリーの家族の一員になりました。
マゴソスクールにやってきたザブロンは、絵を黙々と描いたのです。その絵を見て、私は褒めちぎりました。するとまたザブロンが次々と描いてくるのです。その絵には、物語がありました。森の中の物語でした。その頃まだ小学生だったザブロンは、私にその森の中の物語を説明することはできなかったけれど、その絵はとても胸打たれる絵でした。
今回、日本に行くことになり、ザブロンは私にはじめて、森の中での暮らしの話をしてくれました。19歳になったザブロンは、昨年高校を卒業して、今年からマゴソスクールで働きはじめました。皆さん日本でぜひお友達になってください。よろしくお願いします。
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左、マゴソアートクラブ会長のザブロンくん。今回の来日メンバーのひとりで、マゴソOBOGクラブです。
右、アートクラブ顧問のダン校長先生。
ダン先生も絵を描くのが大好きです。
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ザブロンくんの作品。雰囲気出てて傑作!
私の写真の撮り方が悪くて、色がきれいに出ていません。ほんとはもっと幻想的でステキな色です。ぜひ今回の日本で実物を見てください。

早川千晶
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by moro_kyoiku_kikin | 2013-04-18 09:57 | ナイロビ便り